アルアバイルの渋い2wayカーデにサクランボトートで。
園芸グッズは、白いドアに映える赤青の2色だけ。
狭い玄関にバラとビオラとペチュニアの黒が効く。
装着 (一)
素手で熱いティーカップを運びたくないのに、頼んでも店員がなかなかトレイを出してくれない。
奥のテーブル席にメガネを掛けたジィの横顔が見える。
「まあ可愛いのね」
この前、「家ではメガネだよ」という何気ないひとことに私が反応して、「似合うでしょうね」とリクエストした。
初めての相手がメタルフレームのメガネを掛けていたので、良くも悪くも忘れがたい。
向かいに座るのが恥ずかしくて目を逸らすと、ジィも同じようにした。
そしてひそかに、コーナーの鏡に移る姿を見て(ジィが倍々に増えたみたい)と楽しんだ。
そのまま鏡に映る横顔に語りかける形で、会話を続けた。
「焼けたわね」
「日焼けしたよ」
「太ってないじゃない?」
「1キロ‥珍しいね、お茶するの‥紅茶?」
顔を前に突き出して笑う仕草は父そっくりだ。