今年最後の挨拶に、シルバーパープルの芳香シクラメン持参で母と次妹夫婦に会いに行ってきた。妹のアメショーとスコティッシュフィールドを抱っこして、1時間遊んだ。
耐寒性クレマチスはホウの吹き墨が可愛い。
82才の父は朝ゴルフに雨でくじけてUターンしたが、母に追い出されてまたカントリーに向かった。
母はすぐメソメソするが、昔から芯の強いところがあった。メソメソしながら舌を出すという。
どこでも人目を惹く美貌の母は身持ちこそ堅いが、母の周りの男どもの間で常にトラブルが絶えず、それが父の悩みの種だった。
若い男の婚約者だという女から苦情電話が掛かってきたこともあったし、習い事の老年講師はストーカー化。母はファンレター攻めだった。
もっとも昭和の母親たちは動物園の猛獣みたいのばかりで、スラリと綺麗な母を見慣れていると、幼心に人間不信に陥入りそうだった。
しかーし、大学の賢い同級生が講義を抜けて、母に貢ぎ物をしたときは精神的にキた。
年頃になり、賢い先生と母と三人で旅行したときも、先生は「あのお母様じゃ、男は夢中になるわけだ。まるで鋼」と感心していた。
未だにこれはプチトラウマだ。
「ホホホ、お前の男は全部とってやるわ」とうそぶく母に反吐が出た。このクソアマ。
母は従弟の結婚式にさざ波の着物が着たいそうだが、家族に和服はダメと反対された。
「だって洋服より綺麗に見えるもの」
そして私のパーマを見て「これから伸ばす」と言った。私にはあっさり「集合写真なんか誰も見やしないから、あなたは何でもいいの」
ここを為す根幹がこれだ。
キドくんの改名後が覚えられない。26才?日本の大学を出て、骨太の音になってた。
このデビューミニアルバムCall a romanceを、たかだか21才で作っちゃったという宅録ボーイ。この線の細さはもう望めない。
山合いの釣り堀を見おろしながらカーステレオでひととおり聴き終わる頃、実家に着く距離。今の住まいは平坦な土地ばかりで、紅葉の山を越えると気分転換になる。