英国小説家サラウオーターズ「荊の城」を原案に、時代背景をヴィクトリアンではなく、1930年代の日本占領下の朝鮮に替えてある。これがまた政治の力関係と相まって良い。
ストーリーを伏せるので、服飾インテリアだけ。屋敷の主は英国と日本に敬意を表して、室内は和英折衷。ビクトリアンメインに一部分が畳と盆栽など。
(いくら金で日本人のふりをしても成れない)朝鮮人の男には、(日本人の血を引く)女を力で支配して組み敷くことしかなく、女は(詐欺師が愛を語る?ケッ)本の世界でしか知り得ぬ愛を渇望する。
ヒロインの秀子お嬢様が女中の珠子に見せる、ドロワーのアートピース的ドレスや刺繍の着物と精緻な装飾工芸品(上3段は革手袋専用のドロワーで、淡いベージュやピンクのグラデーションに並べられている。何双あるのか)に加え、靴も凄かった。
レースのお寝間着、くるみボタンフラップでびっしり覆われたシースルーの背中。後ろ姿がエメラルドビジュー縦一列ってロングドレスもあり(あとでさんざんな眼に遭っても、私もお嬢様ごっこやりたい)。
(一人で服も脱げない…赤ん坊と同じだ。ドレスを脱がせるには手間がかかるけれど、この中には私の為に、何よりも甘くて美味しいものが詰まっている)
もうね、、、くちゅくちゅぬちゃぬちゃ…行為より漏れ伝わる音のほうも凄い…女同士でちゃんと出来ちゃう!!!!!オヤジたち、モゾモゾ。
などと感心する暇を惜しんで、枕元の白百合を生けた花瓶やコンソール上の調度品を片っ端からチェックしていた。
印象的なのは、デカい高島田に結い上げたお嬢様が、義叔父の稀覯本聴講会で正装の貴族たちにPor.を読む際、黒い革手袋で自分の首を締め上げたりして抵抗を試みる場面。あぶなっかしい日本語がエロすぎ。全員が日本語ヘタヘタ。
この監督らしく今回、どんな復讐をヒロインにさせるのかがキモ。
エンドロールの音が耳にこびりついて放心。目の前で和ゴス美人が、連れの女性と「鈴入れてしてみたいね(笑」「してみたいけど…」と会話していたが、赤ちゃんの拳ほどのが(しかも2個ずつ)……私はフツーにフツーのものを入れたほうがいいですヒィ。