2か月ぶりのレッスンは、花材の後始末とお茶会の洗い物で服が汚れるがエプロン禁止だ(さっきマダムに面と向かっていわれた。かつて新入りの私が、テーブルに新聞紙を敷いて生け始めたときは、震撼させたらしい)。
鹿の子編みツインニットにベビーパールとカーキのプリーツスカートで、キレイ目に。
改良品種のバラ20本を棘処理から始めて、奔放に生けた。
紅いドラセナはリボン状にホチキスで加工、スターチス・リモニュームは柑橘系の香り。
装着 (十)
やっぱりね‥という安堵の気持ちとモヤモヤが交互に押し寄せる中、「疲れた‥‥」とジィが音を上げた。
そして「昨日、荷ほどきして洗濯は」と言いかけて、照れ笑いしたかに見える。
察するに、洗濯より性欲を満たすのが先決だったのか。
私はソファーに座り、自分のショーツにジィのタンガを重ねた。
「布の表面積が、私の半分ね‥ピンクの立体マスクかと思った」
その色をシュガーアーモンドピンクだと記憶しているのは、過去にヨーロッパで見た満開のアーモンドを桜と勘違いしていたからだった。